新型コロナで再注目「ベーシックインカム」の可能性と課題 | 【全訳】米露の“知の巨人”による連名の論説 | クーリエ・ジャポン

★★★:バランスよく議論できる
★★☆:意見を吟味する
★☆☆:客観的情報
☆☆☆:議論用ではない
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ある特定のオピニオンが述べられる
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May 21, 2020 02:00 PM
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事実ベース
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立体的(多角的)
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考察的・思想的
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複数のオピニオンが含まれる
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調査、データ、観察的
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Illustration: sorbetto / Getty Images
Text by Tyler Cowen and Garry Kasparov
世界恐慌以来とされる経済危機で注目されている「ユニバーサル・ベーシックインカム」。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックに対する経済的な緊急措置として取り入れることは可能なのか。そもそも、その財源はどこにあるのか。
アメリカの大御所エコノミスト、タイラー・コーエンとロシアの知の巨人ガリル・カスパロフが連名で米経済メディア「ブルームバーグ」に寄稿した論説を全訳でご紹介する。

ベーシックインカム賛成論の前提条件とは?

「ユニバーサル・ベーシックインカム(UBI)」は、新型コロナ前から米国で話題にはなっていた──ただし、あくまで理論上の話としてだ。ベーシックインカムは特定の状況に対処するため考え出された。いまパンデミックが映し出しているのは、その状況の悲惨な“予告編”だ。そして、重大な留保は多少あれど、新型コロナのおかげで、ベーシックインカムは前より良く見えるようになっている。
数ヵ月前まで、ベーシックインカム賛成論の根拠は、自動化と生産性向上の速度が雇用創出の速度よりも速く伸びるだろうという予測だった。
人工知能(AI)の発達は、ホワイトカラーおよびサービス産業の労働者が大量にレイオフされる前兆だとしてよく引き合いに出されてきた。こうした懸念のほとんどは、誇張されたものだ。とはいえ話は膨らみ、テクノロジーに対する破壊的な「ラッダイト」(機械打ち壊し)の反乱が起こるよりは、ベーシックインカムがあったほうがよいだろうという発想が出てきたのだ。
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