オーストリア 外出制限緩和 一部店舗を再開 | 国際報道2020 [特集] | NHK BS1

★★★:バランスよく議論できる
★★☆:意見を吟味する
★☆☆:客観的情報
☆☆☆:議論用ではない
☆☆☆:議論用ではない
ある特定のオピニオンが述べられる
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Apr 26, 2020 12:26 AM
オピニオンが含まれない
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カテゴリー
新型コロナウイルス
両論が併記される
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事実ベース
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立体的(多角的)
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考察的・思想的
考察的・思想的
複数のオピニオンが含まれる
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調査、データ、観察的
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ヨーロッパ各国では不要不急の外出を厳しく制限する措置が始まって1か月余り。感染の抑え込みや医療現場の状況には差があり、対応は大きく分かれている。フランスでは、マクロン大統領が13日、外出制限を来月(5月)11日まで延長すると発表し、今後の状況次第では、さらに延長することも示唆。一方、先月(3月)16日から外出制限を続けるオーストリアは、 今月(4月)14日から外出制限の緩和に踏み切り、一部の店舗を対象に、営業再開を認めた。
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オーストリア クルツ首相(2020年4月14日ウイーン)
オーストリアのクルツ首相は今月14日、新たに確認される1日の感染者数が減少に転じていることなどから外出制限に伴う措置の緩和を発表した。
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人気のないウィーン(2020年3月20日)
オーストリアでは、先月中旬、新型コロナウイルスの感染による1人目の死者が確認された後、比較的早い段階から全土で外出制限を始めた。スーパーなどを除き店舗の営業を取りやめ、学校も休校に。違反した人には最大3600ユーロ、日本円で約42万円の罰金を科すなど、厳しい措置が取られてきた。そうした中、確認される感染者の数は一時、 1日に1000人を超えたが、その後、減少に転じ、今月4日以降は100人から300人台に減少。さらに治療で回復した人の数が新たな感染者を上回ったことなどから、オーストリア政府は「感染のぺースを抑えられている」として、今回の外出制限に伴う措置の一部緩和となった。
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ウィーン(2020年4月14日)
約1か月ぶりに店舗の営業禁止が緩和されたウィーン。繁華街では衣料品店など一部の店が営業を再開、人通りが少し戻ってきた。今回、緩和の対象となったのは面積400平方メートル以下の小規模店舗や、園芸用品店やホームセンターなどの営業だ。地元商工会議所によると、国内の店舗の38%にあたる約1万4300店が緩和の対象になるとのことだ。
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営業再開した服飾店
ハプズブルク王朝の時代から130年続く老舗の服飾店のマスク姿の男性店員は、晴れやかな顔でこう告げた。「ようやく再スタートです」。
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左:客 右:服飾店 エリザベス・シュネフ店長
しかし、新型コロナウイルスへの対策を怠っていない。この服飾店では、入場制限を行うとともに、ドアやクレジットカードを読み取る機械の周辺など、客が接触する場所について念入りに消毒するなど、店内の感染対策を徹底。その一方で、130年の歴史で初めての試みとして手作りマスクの販売も始めた。店員のアイデアというが、売れ行きも順調なようだ。店長も再スタートに少し安堵した様子だ。
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服飾店のエリザベス・シュネフ店長
「先月の売り上げが50%まで落ち込んだので、ようやく再開できて、ほっとしました」。服飾店が営業再開後、早速訪れたなじみの客、薬剤師の女性は「薬局で着る白衣が1着しかないので、きょう買えてよかったです」と話した。他にも繁華街に買い物に来ていた市民たちに店舗営業禁止の緩和について聞くと「今回の規制などで小さな店は倒産の危機に瀕しています。営業再開でお客さんが戻ってくることを願っています」と好意的な意見が多かった。一方で店を開けたら人が密集し、感染リスクが高まるのでもう少し待つべきだという心配の声も聞かれた。
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制限緩和の一方で強化された対策もある。マスク着用の義務化だ。もともとマスクをつける習慣がないオーストリアだが、今月に入って、まず、スーパーに入店する際に、客に対して、口と鼻をマスクなどで覆うことが義務づけられた。そして、14日からはすべての店舗や公共交通機関で着用が求められるなど、段階的に厳しくしている。
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左:市民① 右:市民②
市民① 「今回、人生で初めてマスクを着けたわ」 市民② 「いいことです。アジアのようなマスク文化がモデルです」
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右から2人目:オーストリア クルツ首相(4月14日)
政府も医療関係者も国民への注意喚起を続けている。クルツ首相は「政府のガイドラインに従って欲しい。もし感染者数などが増加したら、必要な措置を取る」としている。また、ウィーン病院協会の医療部門のトップも、政府の対応を評価する一方で「今後も慎重に感染者の推移を見ていく必要がある」と指摘する。
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ウィーン病院協会の医療部門トップ ミヒャエル・ビンダー医療局長
「もし、再び悪い傾向に戻れば、再び制限の強化に踏み切る必要があるでしょう」
4月20日現在、オーストリアで新たに確認された感染者の数は59名。減少の傾向は続いている。
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ウィーン(2020年4月14日)
オーストリアは感染状況の推移をにらみながらの、綱渡りの第一歩を踏み出した。政府の計画では来月1日からは、ホテルやレストランなどを除いて、すべての店舗で営業を再開。ホテルやレストランなども来月中旬からの再開を検討するとしている。今後も感染の拡大に一定の歯止めをかけることができるのか、そして経済を回復に向かわせることができるのか。オーストリアの決断の成否を各国は注意深く見守ることになりそうだ。