GPIF、外債を国内債として扱うことに なぜ運用方針を大幅変更したのか(THE PAGE) - Yahoo!ニュース

★★★:バランスよく議論できる
★★☆:意見を吟味する
★☆☆:客観的情報
☆☆☆:議論用ではない
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ある特定のオピニオンが述べられる
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Oct 9, 2019 05:39 AM
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調査、データ、観察的
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公的年金を運用するGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が、運用方針を大きく変えることになりました。為替ヘッジを講じた外国債券について、外債としてではなく国内債券として扱うということなのですが、この背景となっているのは、量的緩和策によるマイナス金利です。
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私たちの年金を運用するGPIFは、安全第一ということで国債を中心とした運用を行ってきましたが、安倍政権はこの方針を180度転換。GPIFは国内外のリスク資産に積極果敢に投資する、世界でも例を見ない投資ファンドに変貌しました。その結果、現在のGPIFのポートフォリオは、国内株式23.5%、外国株式26.4%、国内債券26.9%、外国債券18.0%という比率になっています。
通常、株式と債券は逆の動きになることが多いですから、株式が下落した時には債券が上昇することで、株式下落による損失をある程度、抑制することができます。このため株式中心の運用になったとはいえ、債券を保有することは全体のリスクヘッジに大きな役割を果たしてきました。また、一定数の債券を保有することは、GPIFの運用目的にも合っています。GPIFは、一般的な投資ファンドとは異なり、ただ株価が上がってファンドの残高が増加すればよいというものではありません。GPIFは、毎年発生する年金の赤字を穴埋めするために積立金を運用していますから、毎年、一定額の現金が必要となり、債券から得られる利子は重要な収益源となります。
これまでは債券と株式が逆の動きをすることを利用してリスクを回避していたわけですが、このところ、これ以上、債券を買えないという事態が発生しています。その理由は、日銀の量的緩和策がもたらしたマイナス金利です。金利がマイナスということは、債券価格がバブル的な水準まで上昇しているということであり、償還されると損をしてしまいます。このため、国内債券を実質的に買うことができず、GPIFはやむを得ず、似たような動きをする外国債を購入していました。ところが外国債の比率は投資方針によって厳格に定められており、これ以上、外国債を買うことができない状況となりつつあります。このため、為替ヘッジを加えた外債を国内債と見立て、許容範囲以上の水準まで外国債券を買えるようにするというのが今回の措置です。
しかしながら、外国債についてもトランプ大統領の強引な金融政策の結果、市場空前の水準まで買い進まれており、やはりバブルといってよい状況です。もし米国株が下落するような事態になれば、本来、逆の動きをする債券についても株価と一緒に下落し、ヘッジの効果が得られない可能性があります。そうなった場合、GPIFも大きな損失を出すことにもなりかねません。
(The Capital Tribune Japan)
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