ユヴァル・ノア・ハラリ『サピエンス全史』続編を読み解く | 待望の翻訳版『ホモ・デウス テクノロジーとサピエンスの未来』刊行 | クーリエ・ジャポン

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Apr 14, 2020 01:55 AM
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考察的・思想的
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『サピエンス全史』で人類がどこからやってきたのかを示したユヴァル・ノア・ハラリは、それに続く『ホモ・デウス』では、私たちがどこへ向かうのかを示す──。
35ヵ国以上で刊行され、400万部突破のベストセラーの待望の翻訳版の刊行にあわせ、経営共創基盤(IGPI)取締役マネージングディレクターで、AI/IoTに関わる企業戦略や事業開発のプロジェクトを数多く手掛ける塩野誠氏が読み解いた。

「意識」はどこからくるのか

あなたは人間の「意識」というものはどこにあるのか? 本当に「意識」は存在するのか?と考えたことは無いだろうか? 私は人工知能研究の第一人者である東京大学の松尾豊准教授と対談した際に(*1)、物理法則の中に「意識」または人間の「意思」がどこにも表現されていない、という話を松尾氏に伺ったことがある。
松尾氏によれば、物理現象は決定論的に動いていて、ただ単に「前の状態が決まっているから、次の状態が決まっている」というのである。そこには人間が意思を持って「こうしようと思った」という現象が存在する余地がないのだ。
私は人工知能というテクノロジーに関わる中で、工学的な機械としての人工知能について考える程、有機的な人間の知能について考えるようになっていった、その中で前述の「意識」の存在はずっと頭のどこかで気になっていた。この現象自体が「意識」を気にする私の「意識」という意味で入れ子構造のようにも感じられる。そんなことを考えている中、この『ホモ・デウス』に出会った。
『ホモ・デウス:テクノロジーとサピエンスの未来』(河出書房新社)(上)(下)ユヴァル・ノア・ハラリ・著 / 柴田裕之 ・翻訳
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