中国、月面探査機を打ち上げ 3カ国目となる土壌採取へ - BBCニュース

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Nov 24, 2020 10:15 PM
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ジョナサン・エイモス、BBC科学担当編集委員
中国は24日、月面無人探査機を打ち上げた。月の土壌サンプルを持ち帰る計画だ。
探査機「嫦娥(じょうが)5号」は24日早朝、海南省の文昌宇宙発射場から大型ロケット・長征5号で打ち上げられた。予定どおり進めば、来月中旬に地球に戻る。
今回の探査は、アメリカと旧ソビエト連邦が40年以上前に、月の石や「土壌」を分析のために持ち帰って以来の試み。
極めて高度な内容で、中国は3カ国目となる成功を目指している。
探査には複数の段階がある。軌道船、着陸・上昇船、そしてミッションの最後で地球の大気圏に突入し高温に耐える、カプセルの帰還部分が関係する。
ただ中国は、10年ほど前に人工衛星2機で始めた一連の月探査ミッションを成功させてきており、自信を深めている。
月面探査機・嫦娥4号では、世界で初めて、月の裏側に着陸した。
今回の嫦娥5号は、表側の「リュムケル山」を目指す。「嵐の大洋」として知られる地域にある、高い火山群だ。
今回の探査は高度な技術が要求される(宇宙船のイラスト)
この場所にある石は、アメリカのアポロ計画の宇宙飛行士や旧ソ連のルナ計画のロボットが持ち帰ったサンプルに比べ、ずっと「若い」と考えられている。おそらく13億年ほど前からあるもので、これまで採取された30~40億年前のものと異なる。
科学者らが太陽系での出来事の時期を推定するのに有用な、新たなデータを提供するとみられている。
月の表面の年代を計る場合、研究者らは基本的に、クレーターがいくつあるか数える。表面が古いほどクレーターの数は多く、新しいほど少ない。
「私たちにとって、月は太陽系の時計だ」と、英オックスフォード大学のニール・ボウルズ博士は説明した。
「アポロとルナのミッションが持ち帰ったサンプルは、既知の場所で取られたもので、放射測定によって非常に正確に年代が特定された。その情報とクレーターの割合を照合することで、太陽系の他の表面の年代を推定できている」
英マンチェスター大学のケイティ・ジョイ博士は、嫦娥5号が持ち帰る新たなサンプルは、月の火山の歴史についても理解を深めることにつながるだろうと話した。
「今回のミッションは、過去に火山の噴火があったとわかっている地域に向かっている。正確にいつ噴火が起きたのか、知りたいと思っている」と、ジョイ博士はBBCニュースに語った。
「そうすることで、月のマグマや温度の歴史的変化がわかる。そうなれば、いつ太陽系の惑星すべてで火山やマグマの活動が起きたのか、なぜ月の火山を生み出すエネルギーは他の星よりも早期になくなった可能性があるのかといった、より大きな疑問の解明に取り掛かれる」
嫦娥4号は月の裏側に初めて着陸した
嫦娥5号は月に到着すると、軌道を旋回する。着陸船が切り離され、動力によって下降する。
着陸すると、機器で周囲の状況を分析し、表面の物質を採取する。
着陸船は土壌(表土)を掘ることもできる。
上昇船はサンプルを積んで戻り、軌道船とのランデブー(同一軌道での接近操作)を実行する。
この段階で、高度な受け渡しが実行され、地球に送り返されるカプセルに石や土壌が入れられる。宇宙船はカプセルを、内モンゴル上空で大気圏に突入するよう方向付ける。
月の土壌を入れたカプセルが地球に戻る(イラスト)
すべての段階が困難だが、方法はよく知られたものだ。1960~1970年代の月面有人探査ミッションで使われたものとそっくりだ。
中国は目標に向けて歩みを続けている。
「嫦娥5号のミッションでなされていることと、有人ミッションで必要とされることの類似点が、異なる要素とそれらの相互作用という点から、はっきり見て取れる」と、欧州宇宙機関で有人・ロボット探査の科学コーディネーターを務めるジェイムズ・カーペンター博士は話した。
「現在、月探査が目覚ましく拡大している。アメリカ主導のアルテミス計画(月に宇宙飛行士を再び送る)があり、それをめぐる協力関係ができている。中国も非常に野心的な探査計画を進めている。さらに多くの国なども進出している」