ベラルーシ政府への抗議、ポーランドなどで多数連帯 ジャーナリスト解放求め - BBCニュース

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Jun 5, 2021 09:04 PM
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ワルシャワで集まった人たちはベラルーシの反政府活動を象徴する紅白旗で連帯を示した
ベラルーシが同国領空を飛行中の国際線旅客機を自国に緊急着陸させ、 乗っていた反体制派ジャーナリストらを拘束した問題で、近隣のポーランドやリトアニアで29日、数百人がベラルーシ政府に抗議し連帯を示した。ほかにも欧州各地やアメリカ、オーストラリアなどでも抗議活動があった。
ギリシャからリトアニアに向かっていたライアンエアー4987便は23日、ベラルーシの首都ミンスクの空港に緊急着陸させられた。空港では、乗客でジャーナリストのロマン・プロタセヴィッチ氏(26)と、交際相手のロシア人、ソフィア・サペガ氏(23)が、ベラルーシの警察に拘束された。
これを受けて欧米諸国はベラルーシ政府を強く非難し、欧州連合(EU)は航空各社にベラルーシ上空を回避するよう促した。
ロマン・プロタセヴィッチ氏(左)と交際相手のソフィア・サペガ氏
ポーランドの首都ワルシャワで29日に開かれた抗議集会で、プロタセヴィッチ氏の母ナタリアさんは、「EUの全ての国とアメリカに助けてほしい。ロマンとソフィアを解放するため。拘束されている全員を解放するため」と呼びかけた。
「私たちは自由な国に住みたい。誰もが自分の信念を表現する権利のある国で暮らしたい」と、プロタセヴィッチ氏の父ドミトリィさんは述べた。
この集会に集まった人たちは、ベラルーシ反政府派を象徴する紅白旗を振り、「ベラルーシを助けよう」、「ベラルーシに自由を」などと書かれたプラカードを掲げた。
ワルシャワ在住のベラルーシ人、ナタリア・ブラクさん(35)はAFP通信に対し、「事態はいま本当にひどい。だから私たちは何かしないと。故郷で闘うみんなに、孤立していないと示さなくては」と話した。
「ベラルーシ人の私たちは、とんでもないことをたくさん目にしている」と、別の参加者は付け足した。
反体制指導者スヴェトラーナ・チハノフスカヤ氏は亡命先の隣国リトアニアで「ベラルーシは諦めない」と集会で話した
ベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ大統領(66)はこれまで27年間、大統領の地位にあり、「欧州最後の独裁者」と呼ばれる。昨年8月の大統領選では80%近い票を獲得したとして、6期目に再選された。
ルカシェンコ氏は政権に反対する意見を徹底的に取り締まってきた。このため、多くの野党指導者や反体制派が投獄されたり、亡命したりしている。
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そのうちの1人が、昨年の大統領選前に投獄された活動家に夫に代わり対立候補として出馬したスヴェトラーナ・チハノフスカヤ氏(38)だ。昨年8月にリトアニアに逃れたチハノフスカヤ氏は29日、首都ヴィリニュスで抗議集会に参加。「間もなく変化が起きると思う。間もなく新しい選挙が行われると思う。ほかに方法はないからだ。ベラルーシは諦めない」と訴えた。
その後、チハノフスカヤ氏と集会に参加した数百人には、市内のベラルーシ大使館まで行進した。
ドイツの首都ベルリンでも同様の抗議集会が行われたほか、ウクライナやアイルランド、オランダなど数十カ国で小規模な抗議集会が開かれた。
ライアンエアー4987便を緊急着陸させ、プロタセヴィッチ氏とサペガ氏を拘束したことについて、ベラルーシ当局は機内に爆弾があるとスイスから警告があったからだと説明している。しかし、スイスのメール・プロバイダー「プロトン・メール」によると、このメールはヴィリニュスを目指していた4987便がいきなり航路をベラルーシの首都ミンスクへ変更させられた後に送信されたものだという。
ギリシャのアテネ(Athens)からリトアニアのヴィリニュス(Vilnius)に向けて飛行中だった旅客機は、ベラルーシ上空で行き先を変更し(Plane diverted)ミンスクの空港(Minsk airport)に着陸した(出典:フライトレーダー24)
プロタセヴィッチ氏は、メッセージアプリ「テレグラム」上の反政府メディア「ネフタ」の元編集長。2019年にベラルーシを逃れリトアニアに亡命していた。「ネフタ」は昨年8月のベラルーシ大統領選で、野党支持者にとって重要な情報交換の場となっていた。
ベラルーシ政府は昨年、プロタセヴィッチ氏をテロリスト名簿に記載。昨年続いた全国デモの主導者として訴追する方針。
一緒に拘束されたサペガ氏については、ロシア外務省は昨年8月と9月にベラルーシの法律に違反したとしている。
2人が自分の罪を認める動画が公開されているものの、どちらも脅されて話している可能性が高い。
国連専門機関の国際民間航空機関(ICAO)は、ベラルーシの行為について「事実関係の調査」を開始するとしている。
アメリカでは28日、ホワイトハウスのジェン・サキ大統領報道官が一連の経緯を「国際的規範に直接背く行為」だと批判した。
サキ報道官は米政府が、ベラルーシ国有企業9社への制裁を再発動すると発表。米政府はさらにEUなどと連携し、ルカシェンコ政権の主要幹部を対象に、制裁リストを策定していくと話した。
一方で29日、ロシア訪問中のルカシェンコ大統領と、ウラジーミル・プーチン大統領の会談は2日目に入り、プーチン氏はその後、来月予定されているベラルーシへの第2次借款(5億ドル)の提供を実施すると述べた。ロシアからベラルーシへの総額15億ドルの借款は昨年9月に合意されたもの。
ルカシェンコ氏にとってロシアは最強の頼みの綱だが、両大統領の関係は順風満帆ではないとも言われている。