オカシオ=コルテスの告白が、「有色人種の性暴力サバイバー」に多くの扉を開いた | クーリエ・ジャポン

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Feb 17, 2021 09:47 PM
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アレクサンドリア・オカシオ=コルテス下院議員。連邦議会議事堂の前で Photo: Tom Williams/CQ-Roll Call, Inc via Getty Images
AOCことアレクサンドリア・オカシオ=コルテス米下院議員が先日、議会襲撃事件の恐怖を語ると同時に、自身が性暴力のサバイバーであることを初めて公にした。彼女の勇気ある告白が、性暴力の被害者、とりわけ「声を上げづらい」有色人種の女性たちに大きな力を与えている。

「起きたことは忘れろ」は加害者の主張

アレクサンドリア・オカシオ=コルテス下院議員が1時間30分にも及ぶインスタグラムのライブ配信ですべてを打ち明ける姿を見たとき、アリシア・シーウェル(34)には彼女の気持ちが痛いほど分かったという。
オカシオ=コルテスは2月1日夜、自身が性暴力のサバイバーであることを明かした。アラバマ州の公立校で教育テクノロジーの専門家として働くシーウェルも昨年10月、2000人が視聴するフェイスブックのライブ配信で、10代の時にレイプされた体験を語った。
シーウェルは性暴力の被害を公表することについて「とても恐ろしいことです」と話す。
「サバイバーは人々に信じてほしいと願っています。嘘をついているとか、注目されたいのだろうとか、そういう風に思われたくありません」
それでもシーウェルは、性暴力の後にサバイバーたちが直面する葛藤の汚名を晴らすべく、自ら恐怖心を押しのけて公表にいたったのだと語る。
「私はただ、メンタルヘルスの重要性に気づいてもらいたかったのです」と、彼女は付け加えた。
オカシオ=コルテスもまた、同様の目的を持っている。一日足らずで300万回以上も再生された動画の中で彼女は、サバイバーたちが性暴力の被害だけでなく、他者からの否定にいかに苦しむかを分かってもらうために、自身の体験を打ち明けているのだと語った。
「私たちに対し、前に進め、たいしたことじゃない、起きてしまったことは忘れろ、あるいは謝罪しろとまで言う人々がいます。彼らが言っていることは、性暴力加害者の主張と同じです」
「私は性暴力のサバイバー。今までそれを多くの人には語らずに生きてきました。ですが、(議会襲撃のような)トラウマを経験すると、そのトラウマは別のトラウマと相まって、深い傷になっていくのです」
彼女は、1月6日の議事堂襲撃事件の衝撃を軽視する共和党議員たちを引き合いに出してみせた。この襲撃事件では、主に白人男性からなる暴徒たちが、大統領選の結果を覆そうとアメリカ連邦議会議事堂に押し寄せたのだ。
彼女は続けて、他の議員たちに襲撃事件での体験を語るよう、そしてサバイバーたちに自らの体験を語るよう励ました。
「自分の身に何が起きたかを語ることは、重要なプロセスです。これは、あらゆるトラウマを癒す手段になりうるのです」
オカシオ=コルテスがすべてを打ち明けたインスタライブ

「サバイバー」になれない「被害者」

ソーシャルメディア上で膨大なフォロワーを持つオカシオ=コルテスは、サバイバー仲間たちに特筆すべき変化をもたらしたと言える。何人ものサバイバーやトラウマの専門家たちによれば、とりわけ有色人種の女性たちに影響力が大きいようだ。
黒人であるシーウェルのようなサバイバーたちにとって、プエルトリコ系であるオカシオ=コルテスの告白は、この上なく心強いものだった。有色人種の女性議員たちも、襲撃事件当日、そのジェンダーと肌の色のために他の議員たちよりも暴徒らの標的にされていると感じたと明かしている。
シーウェルは言う。
「声を上げれば、世間からは『怒れる黒人女』とか『注目されたいのか』、『何でもかんでも人種のせいにするな』と言われるでしょう。そんななかで(有色人種の)オカシオ=コルテス議員が声を上げたのは、彼女の強さの表れです」