個人や小規模なグループによって生物学や生命科学の研究を行うDIYバイオ(バイオハッキング)の世界には、自分の人体を使って実験を行うバイオハッカーも存在します。著名なバイオハッカーであるJosiah Zayner氏が、必要なライセンスを持たずに医学実験を行ったことでカリフォルニア州当局の捜査対象になったと報じられています。
Genetic self-experimenting “biohacker” under investigation by health officials | Ars Technicahttps://arstechnica.com/science/2019/05/biohacker-who-tried-to-alter-his-dna-probed-for-illegally-practicing-medicine/
Zayner氏は生物物理学のバックグラウンドを持つ人物で、遺伝子組み替えのキットやその他の実験器具を販売する「The Odin」という企業のCEOを務めています。ユーザーはキットや実験器具を使い、細菌や酵母、動物、そして人間の遺伝子を編集することができるとのこと。
誰よりもThe Odinの製品を使用しているのは他ならぬZayner氏自身であり、2016年にはDIY糞便移植を実行しており、その後も肌を使った遺伝子編集なども行っています。また、2017年には遺伝子改変技術のCRISPR-Cas9を用いて筋肉の発達を抑制するミオスタチンに関連する遺伝子を阻害し、自身の筋肉を成長させようと試みてDNAを注射しましたが、この実験は失敗に終わったと認めています。