「検察庁法改正」の論じ方(亀井 源太郎) | 現代ビジネス | 講談社(1/6)

★★★:バランスよく議論できる
★★☆:意見を吟味する
★☆☆:客観的情報
☆☆☆:議論用ではない
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May 15, 2020 11:44 PM
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「#検察庁法改正案に抗議します」

5月9日夜から10日にかけて、Twitter上で、「#検察庁法改正案に抗議します」というハッシュタグを付けた投稿が多数なされ、本稿執筆開始時点(5月11日)でもなおバズり続けている。
筆者が最初に抱いた感想は、「ああ、1月の検事長勤務延長によって、政府は信用を失っているのだな」というものである。
なぜ、そう思ったか。順序立てて説明しよう。
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検事長勤務延長問題

まず、1月に行われた東京高検検事長の勤務延長について、必要な範囲で振り返りつつ、筆者の立場を明らかにしておこう。
検察官の定年について検察庁法22条は、「検事総長は、年齢が65年に達した時に、その他の検察官は年齢が63年に達した時に退官する。」と規定している。要するに、検察庁法は、検察官の定年を63歳としているのである(検事総長を除く)。
ところが、2月に63歳で定年退職するはずであった東京高検検事長につき、本年1月31日、半年間の勤務延長が行われた。
細かい経緯は省くが、政府は、この勤務延長について、国家公務員法の規定(定年による退職の特例。同法81条の3第1項は、「任命権者は、……その職員の職務の特殊性又はその職員の職務の遂行上の特別の事情からみてその退職により公務の運営に著しい支障が生ずると認められる十分な理由があるときは、……その職員に係る定年退職日の翌日から起算して1年を超えない範囲内で期限を定め、その職員を当該職務に従事させるため引き続いて勤務させることができる。」とする)によって正当化されるとした。
この国家公務員法81条の3の規定が検察官に適用されるという解釈をめぐって、その適否や従来の政府見解との整合性、解釈変更の手続等々に関し様々な疑問が呈されたのが、検事長勤務延長問題であった。
この勤務延長については、筆者も疑問を持っている。