けんすうさんオススメ本

★★★:バランスよく議論できる
★★☆:意見を吟味する
★☆☆:客観的情報
☆☆☆:議論用ではない
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May 5, 2019 03:35 PM
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調査、データ、観察的
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起業家のけんすうさん(Twitter: @kensuu)の3万超のツイートをひたすら遡り、匿名Q&Aサービス「質問箱(peing.net)」、同種サービス「Sarahah」でオススメされた本をまとめたのがこのエントリーです。ついでに、普段のツイートで紹介された本もプラスアルファでまとめました。
正直、めちゃ大変です。誰に頼まれたわけでもないので、意地です。酔狂です。
しかしながらけんすうさんのオススメ本は、普段流し目で見る限りどれも面白く、これを機に何としても網羅したいと、そう思った次第です。

きっかけはこの回答

なんでこんなことをしようかと思ったかというと、けんすうさんに寄せられたこの質問(要望)と、回答がきっかけでした。
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不思議と、この回答が刺さりました。普段から無料の情報に慣れすぎて、選定、編集、発信にかかる「労力」に無関心になってはいないか。質問者ではないのですが(これは本当)、自分自身にも向けられた重要な指摘に思えました。
この刺さりを経験に変えてみてもいいかもしれない。じゃあひとつ、けんすうさんの無数の回答の中から、オススメの本に関するものだけピックアップしてみよう。それがどれだけ「労力」のかかるものか、体験してみよう。
けんすうさんは「19歳で学生コミュニティ「ミルクカフェ」、22歳くらいで「したらばJBBS」をやる会社の社長になり、ライブドアに事業譲渡」(Twitterプロフより)するなどした起業家の方ですが、非常にTwitterを活用されている。累計ツイート数は3万超で、日々増えるわけです。最近は「質問箱」への回答をストップされていますが、それでも膨大に膨大。でも、やってみよう。
というわけで、いってみます!

1.「金持ち父さん 貧乏父さん」(ロバート・キヨサキ)

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3月中旬くらいですね。「どうしたらお金持ちになれるのか?」という質問に、ロバート・キヨサキさんの「金持ち父さん 貧乏父さん」 をご紹介されています。
自分はまだ未読。でもベストセラーになった記憶もある。後述しますが、続編もあり、けんすうさんはそちらにも目を通されているようです。
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2.「さあ、才能に目覚めよう」(トム・ラス)

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続いて、「自己分析をどうやってしてきたのか」という質問には、「さあ、才能(じぶん)に目覚めよう」 (トム・ラスさん)を紹介されました。これは「ストレングス・ファインダー」というもののようです。内面を掘り下げる系の本よりかは、自分の性質をテスト形式で具体的に言語化してくれるツール(みたいです。未実施)。
別の質問で「けんすうさんの、持っているカードで戦うしかないというnote(ブログサービス)を読んで、今自分が持っている、勝負できるカードって何だろうと考えてみてもよく分かりません」というお悩みにも、本書をピックアップされていました。持っているカード=自分の特性、と置き換えられそうですね。
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3.「起業のファイナンス」(磯崎哲也)

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起業にあたっての質問が多く寄せられますが、しばしば登場するお答え本がこの「起業のファイナンス」。おそらく、磯崎哲也さんの著作だと思われます。今回の質問は「どうやって始めるか、という起業の入り口すら具体的に見えてきません」というもの。そんな暗中模索状態で、まず手に取ってみたらよさそうな本みたいです。
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4.「繁栄 明日を切り拓くための人類10万年史」(マット・リドレー)

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これは結構、難易度が高く、「繁栄」が書名に入る本はたくさんあるわけですが、おそらくけんすうさんのご趣味の傾向から、マッド・リドレーさんの「繁栄 明日を切り拓くための人類10万年史」だと思われます。
過去のツイートで、けんすうさんは学ぶべき教養の一つに「歴史」を挙げていらっしゃる。また、好きな本の傾向として、「エビデンスがある」、または「人間とは何かが語られている」という趣旨のお話をされていました。とすると、「明日を切り拓くための人類10万年史」はジャストフィットなのではないかと。
質問は「進歩主義の世の中に疑問を感じる」というもの。そもそも、この深淵すぎる質問によく答えてくださってると感服。
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5.「起業の科学 スタートアップサイエンス」(田所雅之)

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こちらもよく出てくるけんすうさんBOOK、「起業の科学」。田所雅之さんの著書だと思われます。「起業したいけど何をしたらいいか分からない」という質問には、だいたい本書が返答されています。
日常のつぶやきでけんすうさんは「起業についての質問を、質問箱でいただくことが非常に多いんですが、ほとんど「起業の科学」に書いてある気もするので、まずこれを読むのがいいですよ、本当に!」とプッシュされています。この3月でフリーランスになった方、いずれ起業したいという学生さんなんかにもいいかもですね。
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6.「LOVE理論」(水野敬也)

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けんすうさんの人気を物語るのは、恋愛に関する相談もたくさん寄せられていること。「起業の科学の恋愛版みたいなのありますか」という今回の質問には、水野敬也さんの「LOVE理論」を返答されています。
もともと自分に自信がなかった水野さんが、そういう状態からどう自信を作っていくか、そのためにテクニックをうまく活用してもいいのでは、という趣旨の本だったと記憶しています。
ちなみに「どうやったら彼女ができますか」の質問にもはやり「LOVE理論」
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7.「起業家」(藤田晋)

8.「ツイッター創業物語」(ニック・ビルトン)

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起業家の人生を知りたい、という質問には2冊同時にご返答されています。サイバーエージェントやアベマTVの藤田晋さんの「起業家」は、いまは幻冬舎文庫に収録されていてお手軽ですね。「ツイッター創業物語」もタイトル通りの本かと。
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この流れでいくと「エアビーアンドビーストーリー」(リー・ギャラガーさん)も挙げられそうな気がします。成功するためには、成功するまで何度でもローンチ(サービスの公開)をするんだという、タフな話です。書評はこちら。
ちょっとここで話を聞いてほしいんです。
なんとTwitterって、過去ツイートを約3千件しか遡れないんですよ。こんなことをするまで知らなかった。けんすうさんは日々、膨大なツイートをするわけで、3月1日以降のツイートを見られないわけです。
困った。でも、さすがネット社会。検索すると方法が見つかりました。
ツイッターの検索窓にコードみたいなのを入力するんですね。まずは「from:kensuu」これは、誰のツイートを検索するかを指示するものみたい。続いて「since 2017-01-01」これはいつからのツイートを遡るかの指示みたい。つまり「from:kensuu since 2017-01-01」で、昨年1月以降のツイートまで遡れるんです。時間の壁をなんとか突破した!!
それでは、続きです。

9.「ネットコミュニティの設計と力」(近藤淳也)

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これは「角川インターネット講座」というシリーズの一冊です。「ネットとリアルが交叉する「共同体」の未来を、山極寿一、広井良典、古川健介らが語る」とあるので、けんすうさん自身が書かれているみたい。

10.「考える技術 書く技術」(バーバラ・ミント)

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「論理的に話す訓練をしたい」というお悩みに回答として挙がってきたのが「考える技術書く技術」。似たような著作はありますが、同名はないっぽいので、たぶんバーバラ・ミントさんのやつかと。
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11.「ITビジネスの原理」(尾原和啓)

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「初心者にも分かりやすくIT業界をまとめたオススメ本」というストライクゾーン広めな難問にも、けんすうさんは打ち返します。シンプルな書名ですが、たぶん尾原和啓さんの「ITビジネスの原理」かと思います。「転職10回だから見えた」という帯のメッセージがインパクトありますね。
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12.「メンタルが強い人がやめた13の習慣」(エイミー・モーリン)

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そうそう、メンタル系の質問も多いんですよね。たぶん、けんすうさんが飄々とツイートされているからですね。「気にするなと言われても気にしてしまう」この質問者さんのメンタルを変えるのには「メンタルが強い人がやめた13の習慣」を挙げています。

13.「金持ち父さんのこうして金持ちはもっと金持ちになる」(ロバート・キヨサキ)

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一発目に紹介した「金持ち父さん貧乏父さん」の著者キヨサキさんの続編っぽいですね。日々新しい本を読まれている様子のけんすうさん。
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14.「反脆弱性」(ナシーム・ニコラス・タレブ)

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さすがというか、すごいなと思った回答。「体調を崩し、せっかくの休みなのですが、本をよむくらいしかできません。けんすうさんが最近読んだ本の中でおすすめはありますか?」に対して、最新刊であり、上下巻であり、しかも面白そうな「反脆弱性」をプッシュされている。的確とはまさにこの回答のためにある気がします。「反脆弱性」が面白ければ、著者ナシーム・ニコラス・タレブさんのベストセラー「ブラック・スワン」などに展開できますしね。
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15.「夢をかなえるゾウ」(水野敬也)

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ベタといえばベタですが。「アホみたいな質問ですみません」という質問者さんがアホであろうとアホでなかろうと楽しめる「夢をかなえるゾウ」を回答されている。ばくっとした質問にはばくっとした本、エッジのある質問にはエッジのある本を返されている印象です。
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16.「世界一やさしい問題解決の授業」(渡辺健介)

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「30歳までアカデミックの、ビジネスとは無縁の分野にいました。恥ずかしながら、今から社会で活躍していく上で最優先で読むべき本がありましたら教えていただければ」という質問に、「たぶんご自身が思っているほどビハインドしてないと思いますよ」と返されるのが優しい。その上で、「世界一やさしい問題解決の授業」をプッシュされています。
「質問箱」で終わろうと思ったのですが、勢いがついてきたので、ここからSarahaへ!!
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17.「サピエンス全史」(ユヴァル・ノア・ハラリ)

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お好きのようです、サピエンス全史。
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18.「初めてのRuby」(Yugui)

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けんすうさんが「人生が変わった」とまで仰る本。気になります。「プログラミングという概念がわかる本」らしく、アマゾンで見てみても少し専門性がありそう。
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19.「貨幣の「新」世界史」(カビール・セガール)

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これも、おそらくけんすうさんならこの本がお好きだろうという推測混じり。「仮想通貨がなぜお金と言えるかが分からないので、お金そのものを学びたい」という趣旨の質問への回答です。お金そのものが考えられる、こんな感じの書名といえばたぶん、「貨幣の「新」歴史」じゃないかと。古代から遡って、貨幣の持つ機能と変遷をたどった、読み物としてもおもしろい本です(間違っていても、質問者さんの趣旨には合致していますのでご安心を)。
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20.「習慣の力」(チャールズ・デヒュッグ)

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けんすうさんは「モチベーション」を過信しすぎない方です。それよりも、たとえば「鼻を指で触る」ような、行動を起こすハードルが極端に低いふうにどう持っていくかをよく考えていらっしゃる。それがいわゆる「習慣」です。
おそらくこの「習慣の力」は、その真髄というか、その考え方の一端を学べるのでしょう。文庫になっているみたいなので、手に取りやすい。
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21.「「幸せをお金で買う」5つの授業」(エリザベス・ダン)

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「個人レベルのお金の使い方のいい手本を探している」という質問に、タイトルがグッと魅力的な本書があがりました。「「幸せをお金で買う」5つの授業」。けんすうさんはこういった、合理的というか、意味もなく感情に縛られない発想がお好きな印象。

22.「銃・病原菌・鉄」(ジャレド・ダイアモンド)

23.「世界を変えた6つの飲み物」(トム・スタンデージ)

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けんすうさんが好きだなあと予想していた人類学者ジャレド・ダイアモンドの代表作「銃・病原菌・鉄」はやはり読まれていた。「おすすめの世界史関連の本を教えてください!どんな切り口でも」という質問者さんにはさらに、「世界を変えた6つの飲み物」というとっつきやすそうな本もピックアップされています。
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24.「残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法」(橘玲)

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ラスト!!「橘玲さんの本が好き」としばしば仰っているけんすうさんですが、具体的な著作として「残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法」が挙がりました。質問者さんが「恐竜の尻尾」というのはおそらく、けんすうさんがよく指摘される「ニッチなものへ持てる戦力を投入せよ」というのに関連するんじゃないかと。
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なんとここで、Sarahaでけんすうさんが紹介した本はブログ「Coの世界」さんでまとめられているのを発見。出口を探していた私には、これ幸い。もう十分に苦労できたよ・・・と思えたので、終了にします。

普段のツイートでも面白い本が出るわ出るわ

やっぱり、けんすうさんの仰る通り、読み手がツイッターを遡るのがちょっと面倒なように、書き手がそれを振り返って抽出するのも、「まとめるだけ」と思えることも、けっこう大変ですよ。これからは「発信者の労力」にもう少しリスペクトを持って、受信者としてのあり方を考えたいと思います。
遡ってみて気づきましたが、けんすうさんは普段のツイートでも結構、面白い本、面白そうな本を呟いていらっしゃる。自分が読んだところでいえば、たとえば安宅和人さんの「イシューからはじめよ」。
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問題解決の前に、問題設定がどれだけ大切かを学べる本ですね。感想はこちら。
最近では落合陽一さんの「日本再興戦略」もプッシュされています。仰る通り、10〜20代にはきっと刺さる本。
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こちらも感想をブログに書いてまして、こちらです。
未読では、けんすうさんが「割と人生観に影響を与えた本なんですが」という「UNIXという考え方」。プログラミングがわからない人にも、なんとなくでも読めるので、おすすめだそうです。
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以上、総計8800字。最後までお付き合いいただいた方は、ありがとうございました。これからもけんすうさんのツイートに学び、オススメ本を手に取りたいと思います。