2010年代とは何だったのか? 日本からではわからない世界の激変(柴 那典) | 現代ビジネス | 講談社(1/5)

★★★:バランスよく議論できる
★★☆:意見を吟味する
★☆☆:客観的情報
☆☆☆:議論用ではない
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ある特定のオピニオンが述べられる
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Feb 18, 2020 02:06 AM
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調査、データ、観察的
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世界を変えた“黄金の10年”

「ポップ・カルチャーは、社会を映す鏡である――。」
田中宗一郎と宇野維正による共著『2010s』の帯には、こう書かれている。このコピーを見て、あなたはどう思うだろうか? 意外に思うだろうか。当たり前だと感じるだろうか。そして、この言葉に込められた“裏の意味”に気付くことはできるだろうか?
同書は、北米を中心にした2010年代のグローバルなポップ・カルチャーを論じた一冊だ。俎上に載せられているのは、音楽や映画やテレビシリーズ。
ある章ではレディー・ガガやビヨンセなどのポップ・ミュージックについて、ある章ではMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)などの映画作品について。ある章では『ゲーム・オブ・スローンズ』のようなテレビドラマシリーズについて、それらのシーンの動向とそれぞれの作品の意味合いと重要性が批評されている。またある章ではSpotifyやNetflixといったプラットフォームがどんな風にポップ・カルチャーを変えていったかが語られる。
音楽や映像作品を通して「2010年代がどんな時代だったか」ということを位置づける試みがなされている。
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世界を変えた“黄金の10年”――。
同書では、2010年代をこう総括している。音楽ジャーナリストとして時代の変遷をつぶさに追ってきた筆者としても、その印象はまったく同感だ。2010年代はとても充実した時代だった。
ポップ・ミュージックの分野ではストリーミングサービスの普及と共に革新的な表現が次々と生まれ、映画やテレビシリーズにも優れた作品が相次いだ。
そして何より重要なポイントは、それらの作品が社会情勢や政治の潮流と不可分に結びついていたこと。2010年代とは「人々の価値観や意識がドラスティックに変わっていった10年」であり、ポップ・カルチャーは、そうしたディケイドにおける「時代の基調音」になっていたのだ。
ただし。日本に暮らしていたら、そのことには、なかなか気付きにくいかもしれない。